通信 遠隔

NTTデータ・ドコモなどが5Gや4Kカメラを使用して診療所や集会所と中核病院の医師を繋ぎ遠隔診療の実証実験を

2021年2月22日

株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社NTTドコモ、新城市民病院、東海国立大学機構 名古屋大学、新城市、国立研究開発法人理化学研究所、ニプロ株式会社、株式会社ソシオネクストは、総務省「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の請負事業において、コンソーシアムを設立し過疎地域診療所における5Gを用いた遠隔診療・リハビリ指導の実証実験を行いました。

5Gや4Kカメラを使用し、実証地域の診療所や集会所と中核病院の医師をつなぐことにより、超音波画像検査(腹部エコー)などの遠隔診療や遠隔リハビリ指導を行いました。その結果、5Gと4K映像を使用することによって、腹部エコーやリハビリの映像において良好な解像度が得られ、映像伝送やデータ転送の遅延時間も許容範囲内であり、問題なく遠隔診療やリハビリ指導が可能となることを確認しました。今後、高精細な映像伝送・診療システムによって、予防医療を担う医療従事者の不足や山間部等の過疎地域へ医療従事者を派遣する負担の増加などの課題解決に貢献していきます。

背景と課題

新城(しんしろ)市では、人口減少・過疎化・少子高齢化が進み、山間部等のへき地における通院困難患者の増加や医療資源の負担増加など、深刻な地域課題を抱えています。例えば、独居世帯や老老介護世帯の増加により診療・リハビリ指導において機能低下の発見が遅れ、その結果、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)が低下することで入院でのリハビリ介入が必要となるケースが増えています。また、地域交通インフラの不足により、診療・リハビリ指導を必要とする住民の通院が困難となっています。理学療法士は全国的に偏在していますが、訪問リハビリテーションの需要は全国的に増加しています。
これらの問題点を解決するためには、①高齢者の健康異常を早期に「検知」できること、②物理的距離にかかわらず医療を提供できること、③遠隔で健康指導・リハビリ指導を行うため 「高解像度な映像・データ」を伝送できることが不可欠であり、高速・大容量かつ高信頼性・低遅延の通信環境が望まれます。

本実証実験では、5Gを活用した映像伝送・遠隔診療支援のプラットフォームおよび予防医療のためのスクリーニングシステムを構築し、上記のような地域課題の抜本的な解決に取組みました。

体制と役割

  • 株式会社NTTデータ経営研究所
    コンソーシアム代表。
    実証モデルの社会実装・事業化に向けた検討。
  • 株式会社NTTドコモ
    4K高精細映像伝送システムの性能検証。
    5Gネットワーク(基地局および可搬局)環境の提供。
    5Gネットワークの技術検証。
  • 新城市民病院
    課題実証の遂行。
    実証フィールド(病院)の提供、医療従事者のリソース提供。
  • 名古屋大学
    スクリーニングシステム等の有効性評価・検証。
  • 新城市
    実証フィールド(診療所、集会所)の提供。
  • 国立研究開発法人理化学研究所
    モーションキャプチャを活用した歩行の分析。
  • ニプロ株式会社
    遠隔診療支援システム「ニプロハートラインTM」の5G通信環境下での性能検証。
  • 株式会社ソシオネクスト
    モバイル超音波画像診断装置の技術実証。
写真:災害時問診(バイタルデータ)
写真:新城市民病院(モーションキャプチャー)
写真:遠隔健康指導

実証実験の概要

目的:予防医療を担う医療従事者(総合診療医、リハビリ専門医、リハビリ専門職等)の不足、山間部等の過疎地域へ医療従事者を派遣する負担の増加に対する課題解決システムとして、5Gおよび4K等高精細カメラを用いた映像伝送・診療システムを構築した検証。

実証内容

  1. 遠隔問診、各種バイタルデータや遠隔超音波画像検査などの遠隔診療に関する実証
  2. 4Kカメラを用いた遠隔リハビリ指導に関する実証
  3. 4Kカメラや用いた遠隔からの摂食嚥下指導に関する実証
  4. 遠隔医療における5Gの性能評価、電波伝搬特性評価およびエリア構築・システム構成の検証

実証時期

2021年1月17日(日曜)~2021年2月12日(金曜)

課題解決システムの概要

概要図

概要図

システム構成図

システム構成図

検証結果

実験参加者や医療従事者に対するアンケートの分析や5Gの受信電波分布等の比較検証の結果、以下の結果が得られました。

  1. 患者の全身、歩行状態、局所部位の各様子を、療法士のリハビリ指導に求められる十分な映像品質で確認。また、リハビリ前後での診療が遠隔で可能。
  2. 遠隔の医師と現地の看護師が連携して腹部エコーのプローブ操作が可能。
  3. 中核病院の言語聴覚士と現地の看護師が連携して嚥下指導が可能。
  4. 5Gを使用することで、腹部エコーや4Kのリハビリ映像を遅延が少なくリアルタイムに伝送することが可能。
写真:腹部エコー

今後の取組み

本実証プロジェクトを通じて、5Gおよび4K等高精細映像伝送を用いた遠隔診療・リハビリ指導の有用性、機能、操作性等の検証が可能となりました。今後は、5G基地局(ローカル5G含む)、モバイル超音波画像診断装置、遠隔診療支援システム、映像伝送・診療システム等について、実証の検証結果を踏まえ、現状の技術と将来的な見込みをもとに、事業継続性や実現可能性の検討を推進します。

写真:遠隔リハビリ指導

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